FORM OF BEAUTY
美しさの基準は、どこにあるのか
Date.2026.5.15
同じものを見ていても、同じように美しいと感じるとは限らない。形か、構造か。機能か、感覚か。その判断は、いつも曖昧で個人的。UN3D.と52 BY HIKARUMATSUMURA。異なるアプローチを持つふたつの視点が交わるとき、ひとつのプロダクトに、いくつもの“美しさ”が立ち上がる。それは、決してひとつに定まりません。
構造から、美しさをつくる

UN3D.にとって、デザインとは構造から始まります。パターン、カッティング、バランス。服は身体との関係性の中で成立し、その構造が、美しさを規定していく。今回のコラボレーションにおいても、既存のプロダクトをそのまま置くのではなく、洋服との関係性を前提に再構築することが必要でした。縦長のフォルム、持ち手のバランス、スタイリングの中でどう見えるか。それらはすべて、“着る”という行為の延長として設計されています。構造は、見えないが、確実に存在する。そしてその積み重ねが、静かな美しさを生むのです。
意図しない形に宿るもの

「偶然が生み出す形というのが、長年のテーマです」
松村光氏のデザインは、意図された完成形を目指すものではありません。四角いモジュールとスティックによって構成されたシステムは、組み替えることで無数の形を生み出す。その中で、たまたま立ち上がる“美しい瞬間”。それをすくい上げることが、デザインになるのです。機能を優先すれば、形は似ていく。だからこそ、造形を優先する。使いやすさを過剰に説明することもない。すべてを言語化することもしない。それでも惹かれるかどうか。その感覚だけが、判断基準になるのです。
松村光氏のデザインは、意図された完成形を目指すものではありません。四角いモジュールとスティックによって構成されたシステムは、組み替えることで無数の形を生み出す。その中で、たまたま立ち上がる“美しい瞬間”。それをすくい上げることが、デザインになるのです。機能を優先すれば、形は似ていく。だからこそ、造形を優先する。使いやすさを過剰に説明することもない。すべてを言語化することもしない。それでも惹かれるかどうか。その感覚だけが、判断基準になるのです。
選ぶことで、完成する

このバッグに、完成形はない。中に何を入れるか。どう持つか。どんな服と合わせるか。その選択によって、見え方は変わります。透ける素材は、隠すことをやめ、持ち手の個性をそのまま映し出す。整えられた形の中に、意図しないバランスが生まれる。それは、設計されたものではなく、持つ人によって立ち上がるもの。同じバッグでも、同じにはならない。美しさは、与えられるものではなく選び取るものなのかもしれないのです。

